平日朝の区民プールは金曜夜のクラブと同じ構造をしている

最近皆さんは汗かいていますか?

ぼくは毎日水も滴るいい男、と言わんばかりにびしょ濡れな日々を送っています。

つゆだくとかそういう次元ではありません、もう丼の表面張力でなんとか溢れるのギリだよってくらい。


そんなクソ暑い日本の夏ですが、日本独自の涼み方がたくさんあって風情を感じますよね。

風鈴の音に耳を澄ませる、とか打ち水をする、とか怪談話を聞いてひやっとする、とか流しそうめんで過去の思い出を全てに水に流す、とか。

様々な涼み方があっていいですよね。


それでもやっぱり手軽にさっぱりできて、お金がかかったり必死になったりせずにまったり笑ったりしながら暑さを乗り越えるのは綺麗で冷たいプールにばしゃんと飛び込むことではないでしょうか?

そんな最高なプールですが、子どもたちやビキニのお姉さんたちがきゃっきゃっとはしゃいでいるプールではなく、区や市が運営しているプールはぼくが想像していたプールとは大違いでした。

老人ホームin Water

ぼくは以前から肉体改造計画のために走ったり泳いだりしています。

 

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そのため、大学のプールに週に何度か泳ぎに行ったりしていました。

が、大学4年生にもなるとだんだん登校する日も少なくなり、ましてや夏休みに入るとなかなか学校に行く機会がないのです。

そこで家の近くで泳げるところはないかなぁと探していたところ、近くの体育館に屋内プールがあるではありませんか。

しかもGoogle Mapで見る限り、結構新しくて綺麗という口コミや画像が上がっています。

これは行くしかないと大学4年生の特権である平日の朝の暇を利用し、区の体育館に行くことにします。


平日の朝なら同じように暇している大学生や主婦の方、老後の方がまんべんなくいるかなぁとぼんやり思っていました。

ピチピチの競泳水着を履き、ギャグのような水泳キャップとゴーグルを身につけ、いざプールサイドへ入ります。

おっとここで衝撃映像。

目の前に広がる景色はまさに老人の海。

ここは極楽浄土の水中バージョンかってくらい肌がたるみきっている人しか見当たりません。


様子を観察しながら、ときに自分も老けてしまってはいないかを確認しながら入念にストレッチを終え、おそるおそるシルバープールに足を忍び入れると、色々な違和感に気が付きます。

あれ、なんかこの光景見たことあるような、という既視感を覚えるのです。

ここはクラブか

まず、そのプールは25メートル×6レーンです。

pool

こんなイメージ

一般開放されているときは、6レーン中3レーンが何してもいい、いわゆるフリーゾーンとなっています。残り3レーンですが、内2レーンが完泳者用コース、残り1レーンが歩行者用コースです。

歩行者用コースは高校生以上のご利用に限られますので、ご注意ください。


とりあえずいつも通り、完泳者用のコースでかるーく流しながら泳ぎ始めます。

泳ぎながらそれとなくまわりで泳いだりプールの中で立ち話している人たちがどういう様子かを観ます。

(※ここから先の登場人物は全員70歳以上です。あらかじめご理解をお願いいたします。)

泳ぎながらフリーゾーン側をちらちら確認します。

そこには今晩のおかずどうしようだの最近膝の調子がいいだのと、ちょこまか動き回りながら世間話に花を咲かせる女子3人組が目立っています。(※70歳以上です。)

各々体のボディラインがくっきりと現れる派手な水着に身を包み、もはやなんのためにつけているか分からないゴーグルとキャップを頭に飾っています。

そこに完泳者レーンからポーンと飛び出し、

「そんなところで突っ立ってないでこっちで泳ぎなよ!」

と陽気に声をかける健康的に焼けた肌をしたプール内で1番イケてるスイマーが女子3人組に声をかけに行きます。(※全員70歳を超えています。)

軽く笑いながらナンパを受け流す後ろには話しかけたがりながらもモジモジして固まっているちょっと奥手な男子2人組がふらふらとオープンゾーンで25メートルを行ったり来たりしています。(※両者ともに定年を迎えています。)

そんな過激な攻防戦がフリースペースで繰り広げられる中、「最近あんまり飲みに行けてないよねー」と端の方でしっぽりお話を楽しみながら、狙いを定める1人の男性。(※退職済みです。)

アプローチに対して「最近もうお酒が飲めなくなってきてしまって、ドトールでお茶とかはどうかしら?」と少しずつ関係を築いてきたい意向を示すレディ。(※毎晩22時に消灯し毎朝4時に目が覚めます。)


なんなんだここは、こんなにシルバー世代の男女の交流が盛んだったのか、と水中で泡をぶくぶくさせるぼくです。

我に帰り、ちゃんと泳ごうと完泳者用のレーンに目を向けるぼくはとりあえず5往復してから歩行者用レーンでインターバルを挟みます。

歩きながらまたも新たな光景が目に飛び込んできます。

どれだけ時間が経とうとも足をつけずにずっと全力のクロールをする女性。(※ひ孫が先日生まれたそうです。)

この女性はとにかくまわりのこともおかまないなしに、ただひたすら水の中で自分と向き合い続けます。

そんな完泳者用コースを歩行者用コースから眺めていると、他の歩行者たちとすれ違います。

前から来るのはまたしても女子3人組。(※誰もあいみょん知りません。)

通りすがりに話し声を聞くと3人ともコテコテの関西弁を話すではありませんか。

「この前、和歌山にある白浜行ってんけどあそこほんま綺麗やで!」

「あ、そうなん!近くは通ったことあったけど大阪からやったら意外と遠いんよぉ。」

関西人が関西弁で関西の話をするなんて、ホンマでっか。

関東の人には負けまへんで、といわんばかりにその存在感を見せつける関西女子トリオ。

六本木のクラブに遊びに来て、とりあえず様子を見つつも関西弁を駆使して上手くナンパ待ちをする肉食女子のように見えてなりません。

ぼくの母も関西出身なんです!って声かけてしまいそうになった自分が怖いです。

少子高齢化のカタチ

これから日本ではどんどん少子高齢化が進むと予想されています。

国の偉い機関の偉い人たちがそう言っていた気がします。

今回観察してみて、たった3点しかクラブと区民プールの違いは見つかりませんでした。

①場所

②時間帯

③年齢層

Tinderとか隠キャなことやってる場合じゃありませんよ皆さん、老人たちは今日も朝から近くのプールで一緒にお墓に入る相手を探しているのですから。