立食パーティーを上品なものだと勘違いしている人たちへ

はじめに

立食パーティーに行ったことはありますか?懇親会や結婚式の二次会等意外と立食形式のパーティーに参加することは多いのではないでしょうか?華やかなドレスに身をつつみきらびやかなピアスを耳に光らせ、きらきらと輝くシャンパンを片手におしとやかにうふふと笑う女性たち。そしてグリースでキチっと髪型を固め厚い胸板に蝶ネクタイを決めた男性陣は片手をポケットに突っ込み酔いに身を任せ夢を語ります。シャンデリアのもと飲食と談笑をこのように楽しむ男女の姿をあなたも思い浮かべるのではないでしょうか?しかし現実を見てください。この記事を読み終わる頃にはあなたもきっと立食パーティーに憤りを感じることでしょう。

表現の違和感

まず明確にしたいのは立食パーティーを言い換えると立ち食い宴会です。立ち食いそばと二文字違いです。立食パーティーと聞くと上品な印象を受けがちですが、これから皆さんは頭の中でしっかり立ち食い宴会と瞬時に変換するようにしてください。いいですか、立ち食い宴会ですよ。大事なことなので3回言いました。また違う角度から見ても立食パーティーという表現がおかしいことに気が付きます。立食パーティーというくらいなので開催されるのはパーティーですよね?ここで考えてみてください、座りっぱなしのパーティーの方が稀でしょうが。家でこじんまりとたこ焼きパーティーとかクリスマスパーティーとかする場合は座っていることの方が多いかもしれませんが一般的に「パーティー」って言うと大概の人は立っている。わざわざ立食って修飾する意味がまったくわかりません。「ITパソコン」とか「履くだけスニーカー」とか「中高年おばさん」と言っているのと同じ感覚です。立食パーティーという言葉を普及させた人は修飾語の使い方から学び直してください。

制度としての違和感

立ち食いと聞くとどのようなイメージを抱きますか?早くて安く大衆的、ですよね。どの立ち食いの例をとってもこのようなイメージは当てはまりますが、立ち食い宴会のやつだけは異臭を放っています。あいつだけは遅くて高く排他的です。すべて逆をついてきやがります。宴会を立ち食い形式で行うからどうしても遅くなってしまうことは理解できますし、宴会はメンバーが限定的なので排他的なのも納得します。しかし高い必要はあるのでしょうか?そもそも立ち食いそばなどがなぜ立ち食い形式を取り入れているかといいますと、面積あたりの収益率を高めるためです。平易に言い換えますと狭い土地で儲かるためです。土地代などの費用を抑えることで提供するそばの値段を下げ、客に座らせないことでお店の回転率を上げ、収益をあげていく。薄利多売方式を取るためなわけです。この方針をとったことで「俺の〇〇」や「いきなり!ステーキ」が大成功を収めたわけですね。立ち食い宴会の話に戻りましょう。立ち食い宴会は大体高いです。食事も対して量があるわけでもなければ飲み物も普通に飲み放題と変わらない量と速さで、質がちょっといいだけで意味も分からないくらい客単価が高くなることが多いです。ランチで5000円かかっても人は平気でポンと5000円出します。スタバに行く女子高生がペチーノにポンと1000円くらい出すのと同じくらい狂っていると思います。立ち食い宴会を運営している方々は今すぐに価格設定を見直していただきたいと思っております。

1ユーザーとしての違和感

全然ご飯も食べられずビュッフェの方をちらちら見ながら適当でつまらない話をそこらへんの連中と交わし、話の輪から外れないようになんとか自分のポジションを死守しようとショルダータックルを適宜決めながら、なんとか立食パーティーが似合うような立ち振る舞いをしてみる。こんな地獄絵図ありますか?ぼくのまわりの人で誰一人として「立食パーティー楽しいよね!」って言った人はいません。大体みんな「ご飯が食べられない」「足が痛い」「輪に入るために必死」「立ち話だとどうしても話の内容が薄くなる」「最近切れ痔になった」などと立ち食い宴会に対する不平・不満しか垂らしません。立ち食い宴会は制度としての不自然さだけでなく、実際に立ち食い宴会をするユーザーの満足度も低めです。それでも集まりが立ち食い形式で開催されるのであれば参加者は立ち食い宴会に参加したくなくても参加せざるを得ません。これがお前らの、やり方かぁぁぁあ!!と思わずニッチェが憑依してしまうほどのフラストレーションです。

下品な立食パーティーに未来はあるか

ではなぜ今も立ち食い宴会方式はサービスとして存続しているのでしょうか?ぼくなりに考えてみた結果、1つの仮説を立てることができました。 それは座るとたくさんの人と交流できないということです。席替えのタイミングって誰が決めるんだろう?あの人と話したいのになんかブスが隣にずっと座ってやがるー!って思ったこと、ありますよね。座った状態での宴会だとなかなか話す人が限られてしまうのが現実です。そのため、初対面の人々が集まり親睦を深める懇親会等では座る形式の飲食店は好まれません。クラスで鼻くそを食べるやつくらい好まれません。となると、結局立ち食い形式の宴会が丸いよね、となります。そう考えると大人数での懇親会の場所のナッシュ均衡は立ち食い宴会となってしまうのは致し方ないのかもしれません。ただし、やはり立ち食い、食べ歩きしているという観点で見ると上品なイメージがついているのはおかしいので、座りながら飲食もおしゃべりも楽しめるために着座型のセグウェイを導入したパーティーとかで上品な懇親会の居場所を確保してあげられそうですね。まぁそんな気持ち悪いパーティーにもあまり行きたいとは思いませんが…。